Taki Plaza 講演会「逃げ地図ワークショップ・防災講演会」開催報告

2025年12月17日 公開

東京科学大学の学生支援センターと教育推進部学生支援課は、一般社団法人蔵前工業会の協力のもと、11月5日と7日にHisao&Hiroko Taki Plaza(Taki Plaza)にて「逃げ地図ワークショップ・防災講演会」を開催しました。
本イベントは、本学卒業生である株式会社ぐるなび創業者・滝久雄氏の支援による「未来人材応援プロジェクト」の一環として企画されました。

逃げ地図ワークショップ

融合理工学系博士後期課程のラーオスンタラーアンパンさんを講師に迎え、「災害時、どこにどう逃げるか」をテーマに、参加者自身が避難経路を地図に書き込むワークショップを実施しました。

  • 気づき: 分速43mで歩くことを想定し、予想以上に時間がかかること、地図で見ると通行可能な道が少ないことが判明。
  • 学んだこと: ハザードマップなどを事前に確認し、「自分事」として防災意識を高めることの重要性を再認識しました。
  • 参加者の声: 「貴重な体験となった」「不測の事態を想定して考えるきっかけになった」
(中央)ラーオスンタラーアンパンさん
未来人材応援プロジェクトメンバーとともに

防災講演会

融合理工学系修士卒業生で気象予報士の井澤咲乃さんを講師に迎え、異常気象が続く現代における天気予報の見方について、専門家の視点から講演いただきました。

  • 講演内容: 2025年9月11日に本学体育館も浸水被害を受けた豪雨の状況(工大橋観測所で134mmを観測)など、具体的な事例を交えて強い雨の危険性を解説。
    降水確率の正しい意味(1mm以上の雨が降る確率)を解説し、参加者が認識の違いを知るきっかけとなった。
  • 卒業生として: 井澤さんの大学院での経験が気象予報士の仕事に活かされていること、気象予報士の具体的な生活や多岐にわたる活躍を知り、学生のキャリア形成に役立つ情報を提供しました。
  • 参加者の声: 「観測データの重要性を再認識した」「AI時代でも気象予報士の必要性がわかった」
(中央)井澤 咲乃さん
井澤さんと未来人材応援プロジェクトメンバー

今後の予定

未来人材応援プロジェクトでは、今後も学生の関心に応えるイベントや交流の場を継続的に提供していく予定です。

金ナムギョンさん(物質理工学院 修士課程)

今回は逃げ地図を描くワークショップや気象予報士の方による講演会を通じて防災についてもう一度学ぶ講演会を開催しました。今年は海外でも大きな地震などの災害が起こり衝撃的なニュースが多かったですが、見るたびに防災の重要性を感じました。特に地震が多い日本では子供の時から防災訓練をされており、防災はすでに慣れているものと感じる人が多いと思いますが、だからこそもう一度防災の重要性を認識することが重要だと考え、今回の防災講演会を企画しました。
私は韓国出身で防災訓練は子供の時から受けてきましたが、実際韓国で地震を経験したことは2回しかなく、あまり危機感を感じたことがありませんでした。今回のイベントを準備し参加することで自分自身がどのくらい安逸に考えていたのかを体感し、どのように災害に備えられるのかがわかるようになりました。特に私は日常生活とは異なる環境の実験室で多くの時間を過ごしています。毎日のように過ごしたらどのくらい危険に溢れた環境であるのかを忘れやすいですが、今回の企画に参加することにより自分の環境を見直し、自分の環境に合わせた防災について考えることが重要であることがわかりました。今後も、より多くの方にとって有意義な学びの場を企画してまいりますので、引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

上原綾太さん(物質理工学院 博士課程)

今回は、防災への理解を深めるイベントとして、逃げ地図の体験および気象予報士の方をお招きした防災講演会を開催いたしました。多くの方にご参加いただき、防災情報の捉え方や災害への備えについて、一緒に考える貴重な時間となりました。特に、気象予報の裏側にある意図や見方についての解説は、大変興味深く、日頃から何気なく受け取っている情報の重要性を改めて実感しました。今回の企画にあたり、私は気象予報士の方との連絡・調整を担当し、当日は司会として進行に携わりました。
また、私は普段、化学薬品を扱う実験を行っているため、研究室という身近な環境でできる防災についても、今後さらに学びを深めていきたいと考えています。今回のイベントでは、逃げ地図ということで、広い地域における災害時の避難を考えましたが、研究室内における安全確認にも似たような考え方が適用できるのではないかと感じました。
今後も、より多くの方にとって有意義な学びの場を企画してまいりますので、引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

柳瀬梨紗子さん(環境・社会理工学院 修士課程)

本年は新たな試みとして、防災に関する2つの講演会、およびワークショップを連続開催しました。幅広い層の方にお越しいただき、大変嬉しく思います。逃げ地図ワークショップでは身近な大岡山周辺や江ノ島周辺を題材として災害から逃げる経路について考え、天気予報士による講演会では日頃から何気なく見ている天気予報に隠された意図や意味を学ぶことができました。私はコミュニケーションデザインを専攻しており、特に気象予報士による講演会でお話にあった情報のまとめ方、伝え方は非常に勉強になりました。
今回のイベントを開催するにあたり、私は主に講師の方との連絡・調整、当日の司会を担当しました。どのようなイベント内容にするか考え調整を行う経験は、今後もさまざまな場面で活かせると考えています。
今後もより参加者の方にとって有意義なイベントを企画してまいりますので、引き続きご支援、ご協力どうぞよろしくお願いいたします。

新谷恵茉さん(環境・社会理工学院 修士課程)

本イベントでは、逃げ地図ワークショップと気象予報士の方による講演会を通じて、防災について多角的に考える機会を得ることができました。逃げ地図では、普段よく知っている地域であっても、災害時には想像以上に判断が難しい場面があることを実感しました。今回初めて”逃げ地図”を知ったのですが、これを活用した防災アプリなどの開発も役に立つのではないかと思います。講演では、日常的に目にしている天気予報が、どのような意図や工夫のもとで作られているのかを知り、情報を受け取る側の姿勢の重要性を改めて認識しました。メディアやエンタメを研究する者として”どのように情報を渡す/受け取る”のかを考えるきっかけとなり、新しい学びになりました。防災は特別な場面だけでなく、日常や身近な環境に即して考えることが重要だと感じています。今後も、ひろく有意義な学びの場を企画していきたいと考えています。

お問い合わせ先

大岡山学生支援センター 学生相談支援室 
〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1 Taki Plaza B1 TP-005
Email:sss-project@ssc.isct.ac.jp