東京科学大学(Science Tokyo)が加盟しているASPIREリーグの年次総会である「ASPIREフォーラム」が南洋理工大学主催により7月8日から10日まで南洋理工大学キャンパスで開催されました。
ASPIREリーグは、本学が発案し、2009年に設立された科学技術の発展と人材の開発を通してアジアにおけるイノベーションのハブを形成することを目的とした、アジア地域における理工系トップ大学のコンソーシアムです。加盟大学は、清華大学(中国)、香港科技大学(中国)、南洋理工大学(シンガポール、以下NTU)、韓国科学技術院(韓国)と東京科学大学(旧東京工業大学)の5大学で、本学は設立当初より事務局を務めています。
シンポジウム
7月9日にASPIREシンポジウムが行われました。各加盟大学の研究者が今年のフォーラムのテーマ「Active Aging: Interdisciplinary Solutions for Longevity and Wellbeing」に関連した講演を行いました。
本学は、西條美紀教授 (環境・社会理工学院 融合理工学系)が、高齢者向けの人間中心設計(HCD)において、利用者単体ではなく、高齢者・介護者・機器の3者が連携して機能する「チーム」として設計することの重要性を高齢者転倒リスクの早期発見・共有システムの具体例を用いて説明しました。今回は欧州の大学コンソーシアムであるEUTOPIA、IDEA LEAGUEの各加盟大学の研究者も招待されており、University of Ljubljana(リュブリャナ大学)所属の研究者1名、およびETHシンガポールセンター所属の研究者1名を含む8名の研究者による発表の後、Bernett Lee助教 (Biomedical Informatics and Director, Centre for Biomedical Informatics, Lee Kong Chian School of Medicine, NTU) の司会によるパネルディスカッションが行われました。
副学長・シニアスタッフ会議
7月9日午後には、各加盟大学の副学長およびシニアスタッフが出席する「副学長・シニアスタッフ会議」が行われ、議長 Pooi See Lee副学長(NTU)と事務局長の林宣宏副学長(国際連携・国際教育担当)により進行しました。ASPIREリーグ加盟大学の各副学長より、各大学の最近の活動の紹介が行われ、本学からは森尾友宏 理事・副学長(国際担当)が国際卓越研究大学への採択や「Visionary Initiatives(VI)」の推進、ロボティクスや医療工学分野における新組織の整備、IDEA League加盟大学との連携状況等ついて紹介しました。その後、今後のリーグ活動についてのディスカッションを行いました。
続いて2026年サイクルのASPIRE League Partnership Seed Fund(ASPIREリーグ加盟大学間共同研究のスタートアップ支援)に応募のあった提案書の審査が行われました。
会議後には、これまでにASPIREリーグパートナーシップシードファンドで支援を受けた共同研究プロジェクトのうち4件の研究成果報告セッションがオンラインで行われました。
学生ワークショップ
今年の学生ワークショップは、7月6日から7月10日、南洋理工大学にて開催されました。ASPIREリーグ加盟大学から大学院生29名が参加しました。
最終日の7月10日には、ASPIREリーグ加盟校の各副学長およびシンポジウムスピーカーの前で、フォーラムテーマ “Active Aging: Interdisciplinary Solutions for Longevity and Wellbeing” に沿って行ったグループワークの成果を発表しました。学生は大学混成の5チームに分かれ、以下のテーマで高齢者や介護者をサポートするサービスを発表しました。
・グループ1:燃え尽き症候群(バーンアウト)やうつ病のリスクにさらされている「インフォーマルな(家族などの)ケアギバー」を支えるコミュニティプラットフォーム
・グループ2:一人暮らしの高齢者が自宅(特に浴室)で転倒し、長時間発見されないリスクを解消するためのシステム
・グループ3:配偶者との死別を経験し、深刻な孤独感やうつ病のリスクを抱える高齢者を対象としたコミュニティベースの活動プログラム
・グループ4:「プレフレイル(前虚弱)」状態、または栄養リスク(食欲低下、咀嚼困難など)がある地域の高齢者をターゲットにした、経済的・臨床的負担の少ない栄養介入プログラム
・グループ5:高齢者に多い高血圧や心血管疾患、脳卒中を早期に発見するため、日常生活に完全に溶け込む「見えない」バイタルサイン監視システム
各大学の副学長、シンポジウムスピーカーからはさまざまな質問やアドバイスが寄せられ、5チームそれぞれに賞が贈られました。
2027年の議長校は本学が務めることとなり、2027年7月5日~9日に開催予定としています。