ロボット技術研究会が「キャチロボバトルコンテスト2024」で審査員特別賞受賞

2024年11月27日 公開

東京工業大学の公認サークル「ロボット技術研究会」の部員で構成するチーム「工業to科学」が、9月14、15日に行われた「第14回キャチロボバトルコンテスト2024」(株式会社京都製作所後援)に出場し、ベスト8と審査員特別賞(審査員 大阪大学 南裕樹准教授)を受賞しました。

現地参加メンバーとロボット(左から、大嶋俊之、照沼怜士、難波健、塚本悠太)

「キャチロボバトルコンテスト」は2011年より開催されている日本全国の高等専門学校・大学が参加するロボットコンテストで「機械は人間の手を超えられるか?」をテーマに、ワーク(ロボットがつかむ対象物)のハンドリング(対象物をつかんで移動し指定の場所に収納する)を競うコンテストです。

今年は全70チームが出場しました。対象のワークや細かいルールは毎年異なり、2024年の競技タイトルは「Catch the 瀬戸しお」です。対戦形式のルールで、各チームのロボットが3分間でどれだけ多くの「瀬戸しお」せんべいを取得できるかを競います。フィールド上から回収して指定された箱に入れたらその数に応じた得点が入り、指定色を揃えて入れるとボーナス得点が入り、合計得点の多いチームが勝利します。

予選は2試合行われ、最大得点の多い順に16チームが決勝トーナメントに進出できます。
予選第1試合では順調に得点を重ね、ボーナス得点6点×3セットを獲得し、合計47点で勝利しました。予選第2試合ではさらに得点を伸ばして52点を獲得して勝利しました。

予選リーグの最終結果は52点、第5位で決勝トーナメントへ進出しました。

予選第1試合

決勝トーナメント第1試合では箱内の個数カウントミスでボーナス得点を逃すも、相手を上回る43点を獲得して勝利しました。

決勝トーナメント第2試合では、箱へのワークプレース時に床へ落として減点対象となり、この操縦ミスにより時間を浪費し、点数を稼げず19点獲得で敗北しました。

優勝はなりませんでしたが、ファンで吸着後に一度手先の箱にまとめることで効率的にワークをプレースするアイデアと、機体の完成度の高さを評価され、大阪大学南祐樹准教授より審査員特別賞を受賞しました。

参加メンバー

難波健(物質理工学院材料系 修士課程2年)
大嶋俊之(工学院システム制御系 修士課程2年)
照沼怜士(工学院システム制御系 修士課程2年)
加藤星凪(工学院電気電子系 修士課程2年)
野々村和真(工学院電気電子系 修士課程2年)
塚本悠太(工学院機械系 修士課程2年)

チームメンバーのコメント

リーダーの難波さん(機械設計を担当)

メンバー全員が修士学生で、時間がない中でロボットの製作を行いました。そのため、なるべくスケジュールを前倒しにするよう意識しました。目標であった決勝トーナメント進出を越えるベスト8に入賞することができうれしいです。

ピックアップしたワークを箱に貯めておき、まとめてプレースするという機構は、今回製作したロボットの中で特にこだわった所の一つで、審査員の方に評価していただきうれしく思っています。

このチームは、ロボット技術研究会のNHKロボコンチーム「マキニスタ」出身のメンバーで結成しました。僕たちの代はコロナ禍ということもあり、活動が思うようにすることができず、心残りがありました。今回こうして結果を残すことができ、ロボコンを続けていて良かったと思いました。

照沼さん(制御ソフトウェア開発を担当)

大会は昨年に続く2度目の出場であり、昨年は完成度の低さから初戦敗退という悔しい結果に終わりました。そのため今回は昨年の反省を生かしてチームで改良を重ね、結果として特別賞を受賞することができうれしく感じています。

システム制御系の学修で得た制御理論に関する知識をモーター制御に活用し、操縦者が操縦しやすい制御を実現しました。私の専門分野である制御に限らず、制御しやすい機械設計やハンドリングのための回路設計など、各々の専門分野を生かせたことが結果につながった要因だと思います。

大会を通して、これまでシステム制御系で学んだ知識と、ロボット技術研究会で積み上げてきた技術を発揮することができました。この経験を生かし、今後は自身の研究に励みます。

※東京工業大学は、2024年10月に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学(Science Tokyo)となりました。

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